外付けhdd/ssdにwindows 10 64bitをインストール
1. 概要
bootcampアシスタントを利用してmacにwindowsをインストールできます。しかし、bootcampでは内蔵ドライブにしかインストールできません。内蔵ドライブの容量が少ないとか、windowsはあまり使わないので、内蔵ドライブに入れて常時そのスペースを割くのはちょっと、というユーザも多いと思います。しかし、macのbootcampドライバーを利用すれば外付けディスクにwindowsをインストールすることもできます。ここではそんな方法を書きます。
実は外付けhddにwindowsをインストールする方法はいっぱいあります。しかし、モデルとか特定のバージョンとかに依存してたりして、どのモデルでも使える方法というのはなかなかお目にかかりません。ここに紹介する方法はかなり一般的で特別なものやモデルに依存するものは利用しませんので、少なくとも最近のマックのモデルになら割合どれにでも流用できるのではないかと思います。ただ、windowsインストーラのコマンドラインインターフェースを駆使しますので、そこは我慢してもらう必要があります。基本、windows機や仮想環境のwindowsなどは使いません。マックとwindowsインストーラ.isoファイルだけでできます。ただ、インストールの過程では内蔵キーボード、トラックパッド、無線キーボードなどは使えない確率が高いので、usb接続のキーボードとマウスがないとどうにもできなくなることはあります。
基本的には、
に投稿された方法です。題名からわかるように、iMacの2019モデルで外付けhddにwindows10をインストールしたら、音が出ない、というポストに対する返信として書かれたものです。実は自分もmacbook pro 2019でwindows10を外付けssdにインストールしたのですが、音が出ませんでした。その解決策を探してる過程で見つけたものです。結論から言えば、実はbootcampドライバーには2種類あって、インストール前にインストールしておくべきドライバーと、windowsをインストールした後にインストールするものがあります。インストール後のbootcampドライバーのインストールはどこにでも書かれてますので、皆さんおやりになってると思うのですが、windowsをインストールする前にインストールしておくべきbootcampドライバーがあり、そこをやってないと(音が出ないなどの)不具合が起こるという話でした。このことに触れた記事というのは日本語ではお目にかかったことがありませんので、まだ十分知られてないのではないかと思います。この不具合は新しいモデルほど(windowsインストーラ に適切なドライバーがないために)起こりやすいということです。自分のmacbook pro 2019と外付けのssdケース(usb-c接続、nvme m2 orico)にsilicon powerの500gbのssdをセットしたものとの組み合わせで、この方法に従ったら、音もちゃんと出るようになりました。
2. usbインストーラの作成
外付けhdd/ssdにwindowsをインストールするにはwindowsのusbインストーラ が必須です。ちょっと前のマックのモデルだと、モデルによってはbootcampアシスタントでusbインストーラ を作成してくれる場合もありましたが、最近のモデルだとusbインストーラは作らないものがほとんどのようなので、これを自分で作成する必要があります。だけど、windowsインストーラ.isoファイルがあれば、macosで簡単に作れます。
これは以下のサイトの書き込み(のAnswer#1)に従ってます。
まず、16gbのusbかsdカードをディスクユーティリティで消去として
名前:WINSTALL (別の名前でも良いが半角英数にしておくのが無難)
フォーマット:exFAT
方式:マスター・ブート・レコード
として消去ボタンをクリックします。exFATにするのは、最近のwindowsインストーラ.isoファイル内には4gbを超えるファイルがあることがあるということのためです。あとはwindows10インストーラ.isoファイル(自分はマイクロソフトのサイトからダウンロードしたwindows10 64bit 1909でやってます)をダブルクリックして、ボリュームとしてマウントさせ、ファインダーで中身を全て上記で用意したusbにコピーするだけです。以前、書き込みでexFATにフォーマットしたけど、うまくいかないというのがありました時、FAT32にしないとダメだよ、と書き込みしたことがありますが、そんなことはありませんでした。ごめんなさい。
bootcampアシスタントを立ち上げ、メニューバーのアクションをクリックすると、bootcampドライバーのダウンロードというのがありますので、ダウンロードして、WindowsSupportフォルダー内の$WinPEDriver$とBootcampをフォルダーごと全部このusbにコピーしておきます。Bootcampドライバーをダウンロードすると、これらのフォルダー以外にAutoUnattended.xmlとかのファイルがある場合もあるようですが、そういうものがあれば、それも一緒にコピーしておきます。自分の場合は2つのフォルダーしかありませんでした。これで出来上がりです。
windows機があれば、マイクロソフトのサイトからusbインストーラを作成するツールをダウンロードしてusbインストーラを作成することもできます。この場合はFAT32のフォーマットになります。こうして作成したusbインストーラも、bootcampアシスタントでダウンロードしたbootcampドライバーをコピーしておけば(ファインダーでコピーできます)外付けhdd/ssdにwindowsをインストールするusbインストーラとして使うこともできます。
3. Windows10のインストール
本当にファインダーでコピーしたusbでマックをブートできるのかどうか半信半疑だったのですが、option起動にして、このusbの方(EFI Boot)をクリックしたら(多少時間がかかりますが)Windowsインストーラ が立ち上がります。このときは、インストール先の外付けhdd/ssdも繋いでおきます(フォーマットは何もしてなくても構いません)。この方法で作成したusbではスタートアップマネジャーにはEFI Bootのみで、Windowsというのは出ません。なので、通常のBootcampのインストーラがわりには使えないと思います。
さてusbインストーラでwindowsインストーラ が立ち上がると、画面に接続してるキーボードなどが表示されます。最初からjisキーボードとして認識されてますので、キートップの刻印通りに入力できます。この段階で認識されて使えるのはusbキーボードのみです。さて、ここで、shift+f10としてwindowsのコマンドラインインターフェースを立ち上げます。すると画面に真っ黒の背景のコンソールが出ます。ここからはこのコーソールでインストール作業します。
4. インストール先のディスクのフォーマット
diskpartコマンドを利用してインストール先のディスクをフォーマットします。マイクロソフト社が公開してる文書のガイドラインUEFI/GPTベースのハードドライブパーティションに従います。
以下は自分の場合、500gbの外付けssdで行った。windows本体は380gbのところに入れるように計画している。まだ少し使ってない領域があるので、そこはexFATとかにしてもよい(これはインストール完了後にwindowsのディスク管理でできる。その後、マックのディスクユーティリティでhfs+やapfsに変えることもできる)。
以下入力するコマンドです。先頭の#はコマンドじゃなくて説明です。
diskpart
#以下diskpartのプロンプトで入力します。
list disk
#接続してるディスクのリストを出力します。
#windowsをインストールする予定の外付けディスクの番号を確認し、そのディスク(以下の例ではディスク番号1
#が外付けディスク)に対して以下の作業を進めます
select disk 1
#インストール予定のディスクを選択
clean
#ディスクをまっさらにします。
convert gpt
#guidパーティション方式にします(外付けディスクから起動するにはこのパーティション方式が必須)。
create partition efi size=200
#200MBのEFIパーティションを作成
format quick fs=fat32 label="EFI"
#EFIパーティションをFAT32にフォーマットします(マイクロソフトのガイドラインの指定)。
assign letter="S"
#EFIパーティションにドライブレターSを割り当てる
create partition msr size=16
#マイクロソフトのガイドラインのマイクロソフト予約パーティションを用意
create partition primary size=380000
#windows本体を入れるパーティション。(380GBを指定)
format quick fs=ntfs label="Windows"
#ntfsでフォーマット、名前はWindowsにする
assign letter="W"
#ドライブレターにWを指定
create partition primary size=1000
#復旧用のツールを入れておくパーティションを用意
format quick fs=ntfs label="Recovery"
#ntfsにフォーマット、Recoveryという名前にする
assign letter="R"
#ドライブレターRを指定
set id="de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac"
gpt attributes=0x8000000000000001
#この2行は復旧用ツールを入れるパーティションとするためにマイクロソフトのガイドラインで指定されたもの
list volume
#各ボリュームが予定通りできてるかどうか確認
exit
#diskpartを終了
以上で外付けディスクに必要なパーティションは全て用意できた。
5. dismコマンドでインストールイメージを書き込む
次にdismコマンドを利用して、usbインストーラからイメージをコピーする。
まずusbインストーラ内のwindowsのイメージをチェック。
dism /get-imageinfo /imagefile:D:¥sources¥install.wim
ドライブDはusbインストーラ のドライブレターです。Cになることもあります。diskpartのlist volumeで確認しておくこと。
インストールイメージのファイルの拡張子は、ここでは.wimになってますが、windows機でマイクロソフト社のusbインストーラ作成ツールで作成した場合は、拡張子が.esdになる場合もあります(FAT32で保存できるように.wimを圧縮して、ファイルサイズが4gbを超えないようにしたもの?)。マイクロソフト社のサイトからマックでwindows 10インストーラ.isoファイルをダウンロードした場合には.wimになるようです。
このコマンドでインストールできるイメージの詳細を表示します。例えば、Windows 10 pro(日本語)はindex番号3になってました。これでインストールしたいwindowsのエディションのインデックス番号が分かります。インデックス番号がわかったら、そのイメージを外付けディスクのWindowsのところに書き込みます。
dism /apply-image /imagefile:D:¥sources¥install.wim /index:3 /applydir:W:¥ /checkintegrity
このコマンドで指定したwindows 10のエディションをコピーします。コピーの進行とともにバーが表示されて%の数字が表示されます。100%までいけば完了です。
次にやはりdismを利用して、このインストールイメージに対して、bootcampドライバーを追加します。
dism /image:W:¥ /add-driver /driver:D:$WinPEDriver$ /recurse /forceunsigned
(下の追加コメントの訂正済み)
このコマンドでbootcampドライバーのイメージをwindowsインストール前に追加インストールします。macbook pro retina 16' 2019の場合、このステップで88のドライバーが追加されました。
この後このwindows10で立ち上がると、macbook pro内蔵のキーボードやトラックパッドも使えるようになります。
6. 起動パーティションの用意
bcdbootコマンドを利用して、外付けにインストールしたwindows 10が起動するようにします。
bcdboot w:¥Windows /l ja-jp /s s: /f UEFI
このコマンドが正常に終了すれば、この外付けssdから起動するようになります。
あるブログによれば、bcdbootコマンドではドライブの指定は小文字でしないとエラーになるとのことです。
これで、最後に
exit
とすれば、コンソールは終了します。そこで、インストーラのウィンドウの右上の赤の部分のxをクリックすると、インストーラ は終了しますけどいいですか、というメッセージが出ますが「はい」としてインストーラ を終了します。すると再起動しますので、optionキーを押してスタートアップマネジャーにします。
7. 外付けhddのwindows 10を立ち上げる
スタートアップマネジャーの画面に起動ボリュームが表示されると、内蔵システムのMacintosh HD、EFI Boot、EFI Bootの3つが表示されます。自分の場合は、右端のEFI Bootが外付けhddのボリュームでしたので、これをクリックして立ち上げます。真ん中のEFI Bootはusbインストーラ のもので、これが立ち上がると、先程の画面になるので、そのときはやり直します。
外付けのwindows 10が立ち上がると、まず言語・地域が表示されます。日本でよろしいかと出ますので、次へをクリックします。日本以外の時はスライダーを動かして日本を選択します。あとは画面の表示に従います。ユーザなどを設定して、最後まで完了すると、windows 10のログイン画面になります。ここで設定したパスワードでログインします。この時にはすでにmacbook proの内蔵キーボードやトラックパッドも使えます。
ログインしたら、wifiに接続します。あらかじめbootcampドライバーをインストールしてますので、このときにはwifiにもパスワードを入力してやるだけでつながります。
完全に立ち上がったら、イクスプローラを立ち上げ、usbインストーラ をクリックします。この中のBootcampのフォルダーを開け、setup.exeをクリックしてbootcampドライバーをインストールします。usbインストーラ内のルートにもsetup.exeがありますが、これを実行すると再度windows 10をインストールすることになってしまい、あらかじめbootcampドライバーをdismコマンドでインストールしたものが台無しになってしまいますので要注意です。ここで実行するのはBootcampフォルダー内のsetup.exeです。これで、ディスプレイドライバーやサウンドドライバーなどの最終版がインストールされます。
失敗した場合、4のディスクのフォーマットでformatコマンドの部分をやり直して、ドライブレターの割り当てをやってから、5以降をやれば、何度でもうまくゆくまでトライできます。
再起動して、時間、サウンド、認証などをチェック。必要に応じて、設定で正しい設定にする。
最終的には設定のwindows updateで最新版にまでアップデート。