本来印刷作業でのイタリック体は専用にデザインされたフォントを用いるもので、MS Officeのようなイタリックは多数のフォントを保持するのが困難であった昔のコンピュータで便宜的にイタリック(っぽいもの)を出力できるように、単純に傾斜した書体を計算で作り出しているものです(正確には、これはスラント体で、イタリックとはデザインが異なります)。ボールド体も同様で、本来は専用にデザインすべきものですが、MS Officeでは単純計算で太らせているだけです。昔から存在するWord等は後方互換性を保つ必要がありますので、クラシックな字体指定が残っているのです。
また、欧文にはイタリック体の概念がありますが、日本語の印刷では元々イタリックの概念はありません(昔からある日本語の印刷物にイタリックは使われていませんよね)。このため、標準和文フォントには斜体は含まれていません。
ということで、専用にデザインされた斜体の日本語フォント(どのようなものがあるのか具体的には存じませんが)を購入(或いはダウンロード)してインストールするというのが正しい手順です。
#厳密にはフォントはサイズ毎にもデザインされるものです。同じ書体であっても、大きな文字を作る時に小さな文字を単純拡大すると貧弱に見えるので、文字の大きさに応じて太さを変えるのが本来の姿です(さすがにフォントサイズ毎にフォントデータを持っていたらとんでもないことになるのでこれは現実的ではないですが、MMフォントと呼ばれる太さなどを使用時に指定可能なフォントも一部には存在します)。