今頃、Apple社の担当者が日本の各レコード会社と交渉しているのでしょうか。それならば良いのですが、日本市場のあまりにクローズドな文化に匙を投げ、どのみち日本市場は(人口減少による)縮小傾向なのだからと見放されているかもしれません。
元経産省官僚の岸 博幸教授の記事を読んで呆れました。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110621/1036481/
アップルに振り回される形で違法ダウンロードや著作権フリーを追認する形になるのは、音楽ビジネスの今後の発展という観点から決して望ましいとは言えないのではないだろうか。
アップルがiTunes Storeの音楽をDRMフリーにしたのは(ただし日本を除く)、EUの強い意向によるものです。そのことを知らないほど愚かでなければ、彼は意図的にウソを書いています。
そもそも、アップルが行っているのはDRMフリー(コピー防止機能からの自由)であって、著作権フリーではありません。なんと悪質な書き換えでしょうか。
クラウド上に“音楽ロッカー”がありながら、ストリーミングよりも“10台までダウンロード”としている点については、もしかしたら音楽レーベルとの契約上の関係からやむを得なかったのかもしれないが、技術進歩という観点からはちょっとオールド・ファッションな感が否めない。
ストリーミングのほうが新しいとは!
ユーザーは扱いやすいサービスを望んでいます。ダウンロード済みの音楽なら早戻し/早送りも容易で、通信が途切れても再生が止まりません。さらに、iPod内のさまざまなAppで自由に扱うことができます。(ユーザーが持っている音楽を使った音ゲーとか、作曲/演奏ソフトとの連携とか。)
一方、ストリーミングの利点とは何でしょうか?現物のデータが消費者の手元に残らないことです。手元に残らなければ、コピーされません。つまり、消費者に何度でも売りつけたい人たちにとっての利点です。
そういえば、EUがAppleにDRMを解除させた際の主張は、消費者の権利を保護するためというものでした。岸氏は元官僚で、現在はエイベックス取締役。日本の官僚は消費者保護を望まず、自身が業界と良好な関係になることを重視しているのかもしれません。