alpha7m2さん
はじめまして
補足と注意点を-
HAYAMAさんがおっしゃるように個人が購入したCDをMacやiPodに複製することは違法ではありませんが、それはいわゆる「私的利用」に限っての話ですので注意して下さい。他人に譲渡・貸与したり、売却したりする目的でMacやiPodなどに取り込むこと(複製すること)は違法となります。
また、著作権法では第30条第二項で「私的利用」においての著作権者に対する補償金(いわゆる著作権料)の支払を定めています。CDやDVD(含カセットテープ)を購入したときにその料金に含まれています。また、これはレンタルCDやDVDにも含まれていますから「私的利用」については問題無いはずです。
さて,本題ですが今回の法改正はDVDや違法ダウンロードに主眼を置いた法改正であり,実態としてコピー防止機能がほとんど施されていないCDについて,さして気にする必要はありません。ただしコピー防止が施されたCDについては法律違反となるので注意が必要です。一方,ほぼ全てのDVDにはコピー防止機能が施されているのでリッピングソフトを使ってDVDからMacに取り込んだりiPodに転送することは,違法となると考えて間違いないです。
そして,iTunesについてはコピー防止機能を回避する機能が付いていないので,使用上は違法にもならないというのが結論です。
http://images.apple.com/legal/sla/docs/iTunes.pdf
なお,コピー防止機能も含めたまるまるコピーは,法30条1項2号の「技術的保護手段の回避により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合」の該当し違法となると思います。
DVDやCDは複数の正規ルートから格安で購入できる時代になりましたし,まあ,音楽をiPodやiPhoneに入れて生活したいというなら,保護機能が無いCDを選んで購入すれば,通常の生活において全く問題無い法改正だと思います。
====以下参考と私的意見=====
良い機会なので新条文を見ました。参照している法律は括弧書きが多く読みにくいので,不要と思われるところは削除しました。
本気で読みたい人は条文を正しく当たって下さい。また,漢数字は英数に変換しました。
文化庁のHP「平成24年通常国会 著作権法改正について」を引用しましたが新旧対照表には「(案)」とあるので,若干の変更はあるかも知れないです(現行法は最新が9月1日のものが掲載されており,e-govでも10月1日以降の条文は検索できなかったhttp://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)。
私的意見として,第30条第1項2号から第2条を見ると「技術的保護手段の回避(法30・1・2)」によって「著作権などを侵害する行為(法2・1・20)」とあります。私的利用に際しiTunesの使用によって結果的に "回避行為" になったと仮定しても,著作権などを侵害する行為といえるのかという問題もあるように思えますし,他にも…うーん。
ただ,この条文全体を(流し)読んでもDVDを前提とした法律の様です。例えば,文化庁のQ&Aを見るとDVDの違法コピーに主眼をおいた法改正であり,実態として保護技術が用いられていないCDについては主眼が置かれてないようです(かといってもプロテクトがあるCDを回避することは違法)。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/24_houkaisei.html
(問6-1規定の整備)
なお,技術的保護手段の用いられていないCDを私的使用目的で複製すること(例えば,携帯用音楽プレーヤーに取り込むこと)は,著作権侵害とはなりません。
(問6-2保護技術について)
具体的には,記録媒体用のCSS(Content Scramble System)やAACS(Advanced Access Content System),機器間伝送路用のDTCP(Digital Transmission Content Protection)やHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection),放送用のB-CAS方式など
(この「など」って文言が,引っかかる。どこまでなのか…CCCDは入るのかなぁ…。)
また政府自身もCDについてはあまり対象としてないようです。リンク先中段あたり。
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200908/2.html
---引用---
平成24年10月1日から、DVDのコピー防止機能を解除して複製することが違法になりまた、このようなコピー防止機能を解除するプログラムなどを作成や譲渡などした場合が刑罰の対象となります
映画などのDVDなどにはコピー防止機能が施されているものが多くあります。平成24年10月1日からは、個人的な利用を目的に行う場合であっても、DVDのコピー防止機能を解除して、自分のパソコンに取り込むこと(いわゆる「DVDリッピング」)は、刑罰の対象ではありませんが、違法となります。
また、DVDのコピー防止機能を解除するプログラムなどを譲渡または貸与の目的をもって作ったり、実際にそれらをほかの人に譲渡または貸与したりする場合には、刑罰として「3年以下の懲役または300万円以下の罰金(またはその両方)」が科せられることとなります。
なお、一般的に音楽CDはコピー防止機能が施されていませんので、個人的な利用の目的であれば、音楽CDを自分のパソコンや携帯音楽プレーヤーなどに複製することは、違法ではありません。
---引用終わり---
-文化庁-
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/24_houkaisei.html
(定義)
第2条 略
20 技術的保護手段電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法により、第17条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項に規定する実演家人格権若しくは同条第6項に規定する著作隣接権を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に 著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第2号において同じ。)をする手段であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送の利用に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
(私的使用のための複製)
第30条著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
1(略)
2技術的保護手段の回避(第2条第1項第20号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
3(略)