Apple ConfiguratorのVPPライセンス

結論から申し上げますと、ご心配される必要はないでしょう。

ACで監視登録、VPPアプリを割り当てているiPadがある状態でAC2へ移行をした場合、

AC2で監視解除をしたらVPPアプリは元通り返還されるのでしょうか？

まず、Apple ConfiguratorでのVPPライセンスは引き換えコード、Apple Configurator 2でのVPPライセンスは管理配布であるということはご理解されていらっしゃると思います。そして移行する場合は、Apple Configuratorに引き換えコードで使用しているライセンスを管理配布に移行することになるわけです。

そして、例えば30台分の引き換えコードによるライセンスがあったとすると、管理配布による30台分のライセンスが新規に発行されます。引き換えコードで割り当てているライセンスの状況は影響しません。

移行期間のライセンスの扱いは以前にAppleに問い合わせたことがあります。

1. 申請により引き換えコードによる台数分のライセンスは管理配布のライセンスに移行します。
2. このときから1か月間はインストール済みのAppはiPad上でそのまま使用できます。
3. 1か月を過ぎると引き換えコードによるライセンスが完全に無効となるため、Appを起動するときにライセンスを求めてストアのID(Apple ID)でのサインインを求めてくるようになります。

流石に最後の状態まで実機で確認したことはありませんが、要は一定期間(1か月)の後で引き換えコードのライセンスは無効になるということです。

ACで監視登録、VPPアプリを割り当てているiPadがある状態でAC2へ移行をした場合、

AC2で監視解除をしたらVPPアプリは元通り返還されるのでしょうか？

そもそもApple Configuratorで登録しているiPadの監視状態を解除したり、登録から削除すると引き換えコードで割り当てていたライセンスは戻ってきます。(後者は私もだいぶ後になってAppleのサポートから聞きました。)

一方、Apple Configurator 2では管理配布でシリアル番号に対してライセンスが割り当てられるため、故障して交換したような場合は古いiPadのシリアル番号に対するライセンスをApple Configurator 2で解除する必要があります。

iPadの使用の都合上、移行前に監視解除をすることが難しいため困っています。

Apple Configuratorの組織情報を移行アシスタントでApple Configurator 2に移行すれば、Apple Configuratorで監視を解除する必要すらありません。手順としては、

1. Apple Configurator 2の移行アシスタントで組織情報を移行する。
2. 引き換えコードから管理配布へのライセンスの移行をAppleに申請する。
3. Apple Configurator 2上でApple Configuratorと同じようにAppをインストールするためのブループリントの用意等を行う。
4. iPadを接続してApple Configurator 2からAppをインストールする。
5. 制限の適用が必要な場合は移行アシスタントで移行したプロファイルを適宜更新した上で適用する。

といった感じになろうかと思います。

ここで、4.でAppをインストールする段階でシリアル番号に対してVPPの管理配布のライセンスが割り当てられ、警告に対して上書きしてインストールすることでiPad側のAppも管理配布に移行することになります。

参考にしていただければ幸いです。

注意が必要なのは以下の2点でしょう。

1. 引き換えコードのライセンスは移行処理が完了してから30日で無効になること。
2. iPad上のAppをシリアル番号によるライセンス割り当ての管理配布に移行するために、1度は管理しているMacに接続してApple Configurator 2でAppの上書きインストールが必要なこと。

まぁ、あと過去に購入したものの現在はAppストアになくて入手できなくなっているようなAppとか、シリアル番号によるライセンス割り当てが可能にAppストアで設定されていない、といった稀なケースもありました。もっとも、後者のような保守されていないAppは、きっとiOS 11で32bitアプリのサポート終了でAppストアになくなったAppと同じ状況になることでしょう。