このPCウイルスってiPadにも感染しますか？

原則として、iOS機器(iPhone/iPad)にウィルスは感染できません。

ウィルスとは、コンピュータシステムに入り込んで不正な動作をするものですが、iOSはアプリ領域とシステム領域が厳格に分離されており、アプリがシステム領域に直接アクセスできないようになっています。

同様に、iOSではウィルス対策ソフトも意味を持ちません(ウィルス対策ソフト自体がシステムに入り込んで動作するものなので)。

ただし、例えば、Safariに不正なデータを送り込んでSafariのみを動作不安定にさせる(あるいは不正な動作をさせる)ことは原理的には可能です(Safariにセキュリティホールがあれば)。

ということで、システムへの感染は心配する必要はありませんが、念のためにSafariの履歴とWebサイトデータは削除しておいたほうが良いと思います(設定アプリのSafariの箇所から消せます。Webサイトデータは詳細内)。

ところで、最近はPCではなくiPad/iPhoneといったiOS機器を使う人が増えてきて、ウィルスがその効力を発揮しにくくなってきています。このため、ウィルスではなくフィッシング(詐欺)による情報搾取が急激に増加しています。これは「アカウントがロックされる」とか「(見に覚えのない)買い物の請求書を送って、間違いがあれば連絡を」といったメールでアカウントの確認を促して偽サイトに誘導し、そこでIDとパスワードを入力させてアカウントを乗っ取り、勝手に買い物をしたり不正メールの送信元として使ったりするものです。要するに人間のセキュリティホールを突いた犯罪ですので、各人が用心する以外に効果的な対策はありません(パスワードが漏れたときのリスクを最小化するため、2ファクタ認証は必ず設定しておいてください)。くれぐれも不安を煽るようなメールに騙されないでください。

本当かと言われれば、そのような事例が報告されていますので、本当でしょう。

しかし、

1) 常にiOSは最新にアップデートする

2) App Store以外のアプリに手を出さない(「信頼されてないデベロッパ」は決して信用しない)

3) iPadをつなぐ可能性のあるWin/Macのウィルス対策を欠かさない

4) 妙な下心は出さない(君子危うきに近寄らずってことです)

といった基本的な注意を怠らなければ、滅多に入り込まれたりしません。

特に、(2)はフィッシング詐欺と同様に利用者を言葉巧みに騙して「信頼されてないデベロッパ」を信頼させて侵入を試みますので、人間のセキュリティ意識が大切です。