Homes さんによる書き込み:
polon31 さんによる書き込み:
「英語ってなんて単純(簡単とは言いませんが)な言語なんだろう」です。
確かに。ロシア語となると,当方などは挨拶程度以上は無理です。
それは単純に Homes さんが(一般的な日本人の環境にあったと推定して)、最初に学んだ外国語が英語であったことと、英語は中学校から大学まで最低でも8年間程度は学習していたことがあります。さらに、英語を学び始めたのが中学生の時代であったことも大きいでしょう。ロシア語は仮に大学で学び始めたとして、すでに言語学習適齢年齢を過ぎてしまっています。成人が外国語を堪能になるまで学習することはほぼ不可能です。さらに、英語は中・高では週4~5時間、ほぼ毎日学んでいたはずですが、大学での語学の授業は通常は、セメスター制を取っていれば週2回、通年授業ならば週1回の場合もあり得ます。
さらに、日本における英語教育は明治以来の伝統があり、日本語と英語の対照研究も進んでおり、文法書や辞書も充実しています。ロシア語やフランス語などの比ではありません。
つまり、Homes さんが英語に比べてロシア語の方をはるかに難しく感じるのは、客観的にロシア語が英語よりも難しいからではなく、学習環境・条件が違っていただからだけのことです。もし、Homes さんが中学校からロシア語を学習し、大学に入ってから英語を学んだのだとすれば、「英語って、なんだかなぁ〜。名詞の格もないし、語順をちょっと間違えれば意味が違ってしまうし、難しいよなぁ〜」とお感じになったはずです。
polon31 さんによる書き込み:
英国以外のヨーロッパ民族にとっては「英語を話すことなど造作もない」というのが肯けます。
確かに。特にラテン語の素養のあるヨーロッパ人は,10種類以上の言語を話す人が珍しくないと思います。
「ヨーロッパ民族」なんていう民族は存在しませんよね。また、ヨーロッパ人にしても、その母語がインドヨーロッパ語族なのか、ウラル語族なのか、それ以外なのかによって外国語学習の難易度は違ってくるでしょう。
また、現代ではラテン語の素養も怪しくなっています。この「10種類以上の言語を話す人が珍しくない」というのは専らインドヨーロッパ語族の話者の話ですね。だいたい、先にも書きました通り、彼らにとっては「外国語」というのは日本人にとっての「方言」程度の差に過ぎませんから。
日本語というのが1つの言語で、その差違は内部的な方言に過ぎないというのは、これは「政治的」な配慮であって、客観的にそうであるわけではありません。19世紀に300位の諸邦からなる連邦国家だった国から明治になって人為的に日本国という中央集権の国民国家を創成する時に共通の「日本人」という概念と「日本語」という共通言語が必用になったのです。「私たちは全て日本と言う国の国民であり、日本語を話す日本人である」という虚構はその時作られたわけです。ところが言語学的には、(色々な説がありますが)「日本語族」があり、それは「日本語派」と「琉球語派」から構成されていると考えることができます。「日本語派」はさらに「八丈語」と「日本語」から構成されています。そして「日本語」はさらに「東日本方言」・「西日本方言」・「九州方言」に大きく分類されるようですが、オランダ語とドイツ語、スペイン語とポルトガル語のことを考えれば「東日本語」・「西日本語」・「九州語」という独自の言語だと見なしても良いかも知れません。
また、日本は日本人は小国だと信じて疑っていませんが、実は人口だけではなく国土の面積的にも世界では大国の方になります。日本人は日常的に異言語話者のディアスポラと遭遇することがありません。この街の通りの反対側は朝鮮語じゃないと通じないとか、隣町は中国語がメインだとか、往来を歩いている人々が話している言語が日本語だけではなく、中国語や朝鮮語、モンゴル語、タガログ語等が頻繁に聞こえてくるというようなことはありません。また、日本語は話者数が世界でも有数の大言語なために、必用な専門文献のほとんどもすぐ日本語に翻訳されて出版されます。つまり、日常的に日本人には外国語は必用とされていないのです。ところがヨーロッパでは上に書いた街の情景は当たり前です。そこで、ある村人は物心付く頃には3つ位の言語が母語になってしまっているなんていうこともよくあるわけです。ハンガリー人とドイツ人とルーマニア人とスロヴァキア人が混住している村なんてよくありますから、そこで生まれ育った子供は学校で英語やフランス語を学ぶ前にすでにハンガリー語とドイツ語とルーマニア語とスロヴァキア語がペラペラだったりします。外国語はたくさん学べば学ぶほど次の言語の習得が(言語系統に関係なく)楽になって行きますから、彼らが8言語、10言語できるのは、もちろん、努力はありますし、そのこと自体は素晴らしいことですが、実は日本人が想像するほどたいしたことではないのです。
日本人にとって外国語が大変なのは:
1. 現在日本人が学ぼうとする外国語が系統的・類型論的に日本語から遠過ぎる
2. 日本社会においては外国語を必用とする状況がない
という2つのことが大きいと思われます。
polon31 さんによる書き込み:
平仮名は美しくて好きなので、平仮名表記を無くすのは反対です。
[...] ローカライズの片仮名を原語表記にするだけで,随分よくなると思います。
日本人が「原語」と言う場合にはしばしば「英語」という意味である場合が多いので...。日本の高校で使われる『高等詳細世界地図』なんかだと、ヨーロッパの地名などはカタカナの他にアルファベットでも併記されていますが、「ポーランド/Poland」、「ドイツ/Germany」、「ハンガリー/Hungary」、「ワルシャワ/Warsaw」、「ドナウ川/Dabube」のように全て英語併記です。これでは日本人の子供は「世界は英語で書くものなんだ」と誤解してしまうのも当然です。ヨーロッパで販売されている自動車地図等は「ポーランド/Polska」、「ドイツ/Deutchland」、「ハンガリー/Magyarország」、「ワルシャワ/Warszawa」のように、“本当の原語”(原綴 げんてつ)で表記されています。私は原綴主義は好きですが、英語主義は嫌いです (^^)。
polon31 さんによる書き込み:
今時英語くらいできなくてどうするって感じですね。
それは英語ができる人の論理です (^^)。しかもそのような言い方をする日本人は不思議なことに英語ができる日本人だけなのです。フランス語ができる日本人やドイツ語ができる日本人、ハンガリー語ができる日本人、イタリア語ができる日本人。誰もそんなことは言いませんよね? これも英語に対する(実は米国に対する)憧憬による過剰同化だと思っています (^^)。
私的には、日本がもっと経済でも、科学技術でも発展して、重要な論文も日本語でないと読めいない状況になり、世界中が日本語を勉強するようになれば痛快だなと思っております (^^)。あの誇り高い、英語ができても絶対に英語は話さないフランス人たちが、日本人たちのあまりにもの語学音痴さに根を上げて、背に腹は代えられないと、彼らの方がパリのシャンゼリゼ通りなどの商店で日本語を話すようになってしまっているというのは痛快の極みです (^o^)♪