一つのNASを2台のMacのiTunesで利用する方法
重要な旧サポートデータ(2011年)が現在のAppleのサポート情報から失われている上に、適切で確実な手段をAppleのサポートが提示していないためコミュニティに投稿いたします。私はMacOS9の時代からiTunesを使って約20年になります。旧いMacから新しいMacへと外付けのHDDをそのまま使用して、全てのiTunes環境(プレイリスト、レート、追加日、再生履歴など)を移行しています。前投稿の、
一つの外付けHDDを2台のMacのiTunesで利用する方法
https://discussionsjapan.apple.com/thread/110201014
で示したとおり、外付けHDDだとUSBセレクターを使用するか、端子を抜き差しする以外に複数のMacで一つの外付けHDDを適切に管理し利用することはできません。この場合いずれかメインのMacにUSB接続した場合のみタイムマシーンで外付けHDDをバックアップすることが必須となります(こうした接続の切り替えをしないで済むように家庭内無線LANであるWi-FiルータにUSB接続をしたHDDに「iTunesMedia」ファイルを置くと複数のMacで音楽を利用できる反面、MacでのバックアップはUSB接続したHDDが対象なので、こうしたLAN接続ではタイムマシーンでのバックアップが不可能でとなってしまいます)。
これに対してNAS(Network Attached Storage)を利用すると、外付けHDDを使用する際に不便と感じる切り替えの問題を解消することができます。全体の費用としては外付けHDDを利用する場合の約2.5倍になります。⇄ は MacとNASとのLAN接続(有線LANもしくは無線LAN)
Mac1 ライブラリ「iTunes Library.itl」その他ファイル ⇄
Mac2 ライブラリ「iTunes Library.itl」その他ファイル ⇄ 外付けHDD「iTunes Media」ファイル
Mac3 ライブラリ「iTunes Library.itl」その他ファイル ⇄
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A. 1台目のMacの音楽データ「iTunes Media」ファイルをNASに移動します。手順は以下の重要な旧サポートデータ(2011年)を参照してください。
「iTunes Media」フォルダを移動する iTunesの音楽データを外付けHDDに移動する方法(2018年3月7日投稿)
https://discussionsjapan.apple.com/thread/110201003
B. 2台目の「iTunes Media」ファイルの「場所」をNASに設定します。基本的な考え方と手順は A と同じですが、すでにNASに移動された「iTunes Media」ファイルが存在し、これを「場所」として選択するので新たなフォルダは作りません。「統合」を行うことで利用可能となります。以上です。
* 3台目以降も2台目と同じです。
* いずれかのMacで曲情報を変更した場合は、他のMacでiTunesを立ち上げた際はライブラリはこの「iTunes Media」ファイルを参照します。プレイリストなどを含むライブラリ自体はあくまでMacごとに個別のもので独立したものですが、曲情報について変更項目があればこうして別のMacにも反映します。
* 例えば家族3人で別々のライブラリを持ちたいときは、それぞれのマックに個別のライブラリ「iTunes Library.itl」を置きながらNASにある一つの「iTunes Media」ファイルを全員で共有するイメージです。親側のプレイリストが子側のプレイリストに現れることがありませんし逆も同じです。選択した項目をどのライブラリから除外することも追加することも自在です。「iTunes Media」ファイルにあるライブラリ上にあるないに関わらず音楽データはそのままです。
* 応用としては前投稿の「一つの外付けHDDを2台のMacのiTunesで利用する方」でもこのNASにおいても、外付け側にライブラリ「iTunes Library.itl」を置き、これを共有すれば複数のMacを同じライブラリとして利用することができます。この場合は親側のプレイリストが子側のプレイリストに現れ、子側のプレイリスト変更も親側に現れ、全てが同期します。
* OSが異なる場合はライブラリ「iTunes Library.itl」の共有は不可能です。それぞれのライブラリで音楽を利用します。上位互換があ流ので古いOSを新しい現行のOSで読み込むことはできます。その場合も新しいライブラリ「iTunes Library.itl」が現行のOS側で作られ、共有することはできません。
* ライブラリ「iTunes Library.itl」を個別に置くか共有するかは、ユーザーがどのよう運用するかの選択的な設定であることを理解する必要があります。目的に応じて自由な使い方ができます。
以下、補足。
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有線LANで接続されたNASにある「iTunes Media」ファイルはネットワーク上にあるため、このままではどのマックのタイムマシーンでもバックアップを取ることができません(前投稿の補足にある家庭内無線LANのネットワーク上に置いたiTunes Media」ファイルのあるHDDはLAN接続のため、どのマックでもバックアップを取ることができないことと同じです。バックアップのためにはHDDとマックをUSB接続しなければなりません)。
したがってタイムマシーンと切り離してNAS単体でバックアップを取ることが必要となります。方法はNASのメーカーによって異なりますが、
1. NASに「バックアップ用の外付けHDD」を接続する
2. NASと有線LANで接続したMacのUSB端子に「バックアップ用の外付けHDD」を接続する
という二つがあります。HDDに比べてNASそのものは約1.5倍程度の価格です。NASを利用する場合は「NAS+外付けHDD」となり、全体としての費用は外付けHDDを一つ利用することに比べて約2.5倍(2~3倍)となります。